NO MAN’S LAND
ノー・マンズ・ランド。 俺のお勧め映画の一つ。
近年はコンピュータの技術が進んで、CGもよりきれいに、リアルにできるようになった。そうしたことで昔の映画よりもはるかに迫力のある映画を作る
ことが可能になったと思う。莫大な制作費をかけて、映画を見る観客を興奮させ、楽しませて収入を得る。そういう映画が増えてきたように思う。
ノー・マンズ・ランドはダニス・ダノヴィッチ監督。2002年にアカデミー賞外国語映画賞を受賞した作品。TVでも何回かやってると思うので、見た
ことある人も多いかもしれない。
簡単に言うとボスニア紛争のお話である。1993年、ボスニア軍とセルビア軍の間にある無人地帯 ”ノー・マンズ・ランド”に取り残されたボスニア兵とセ
ルビア兵の醜いやり取りが描かれている。
この映画を見たとき「あー。"映画"っていうモノはこういうために存在するものなのか。」と思った。
この映画には激しい戦闘シーンはなく、ましてや30人ほど敵が襲いかかっても死なないようなヒーローも存在しない。描かれているのは戦争における人間の醜さと無力さ。コミカルなやり取りもたくさんあるが、その"おもしろさ"が予想外のラストシーンを見たとたんに"苦しさ"に変わった。「この映画は何を伝えようとしているのか」ということを考えようと思って考えるのではなくて、自然と考えさせられてしまうような作品。最初に書いた、近年多く見られるような映画とは180°違うのでぜひ見て欲しい。
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